2022-23欧州カップ戦GS第1,2節&予選結果

今シーズンは、多数の日本人選手所属クラブが欧州カップ戦に参戦している。

・UEFAチャンピオンズリーグ(CL) … 3クラブ
・UEFAヨーロッパリーグ(EL) … 7クラブ
・UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL) … 1クラブ

・ECL予選敗退 … 3クラブ

CL フランクフルトとスポルティングがGS同組対決、長谷部誠は13ぶりのCL出場、守田英正はアシストを決める

CLは予選を戦ったのは3クラブ。HJKヘルシンキとモナコ、ユニオン・サン=ジロワーズがそれぞれ予選で敗退してELに回った。
他3クラブは本戦グループステージからの参戦となっている。

・モナコ … 前年度リーグ・アン(フランス)3位、CL予選3次ラウンド敗退、ELグループステージへ
・ユニオン・サン=ジロワーズ … 前年度ベルギー・ファースト・ディビジョンA2位、CL予選3次ラウンド敗退、ELグループステージへ
・HJKヘルシンキ … 前年度ヴェイッカウスリーガ(フィンランド)優勝、CL予選1次ラウンドから登場して予選2次ラウンドで敗退、EL予選ラウンドへ

・フランクフルト … 前年度EL優勝
・スポルティング … 前年度プリメイラ・リーガ(ポルトガル)2位
・セルティック … 前年度スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド)優勝

フランクフルトとスポルティングがグループDで同組となり、初戦でいきなりの直接対決となった。
序盤から後半途中まで、ホームのフランクフルトが押し気味に試合を進めるも、ゴールは奪えず。長く続いた優勢の時間帯にゴールできなかったことが、敗因のひとつとなった。
65分にスポルティングが先制すると、2分後には追加点。先制点は守田英正がアシスト、追加点も守田が起点となるダイレクトスルーパスを通しており、守田は2得点に絡んだ。
82分にもスポルティングがダメ押しの3点目を入れ試合を決める。アウェーの状況ながら落ち着いて試合を進め、一気に試合を決めたゲーム運びは、CL出場経験の差を見せつけた格好になった。
先発の鎌田大地に代わって長谷部誠が試合終盤にピッチに入り、4バックを採用しているためボランチのポジションについた。長谷部は、2009-10シーズンのヴォルフスブルク所属時以来、13年ぶりのCL出場。

フランクフルトの2戦目はアウェーのマルセイユ戦で、長谷部が今季初先発フル出場した。
今季リベロのない4バックを中心に採用しているフランクフルトでは、長谷部はCBとしての出場チャンスはなく、ボランチとして出場機会をうかがうしかなかった。3バックでも昨季後半からルーカス・トゥタが一番手となっており、長谷部はその控えの立場。ここまで、公式戦3試合の出場で、いずれも後半途中からの出場。
初戦のスポルティング戦で、相手の3バックに対して4-2-3-1の布陣で守備がうまくいかなかったことでの3-4-2-1の採用、週中連戦を考慮してのローテーションといった理由からと思われるが、長谷部にとっては久々の先発フル出場で安定したプレーぶりを見せた。
今後も同様の状況が続くと思われるが、日程が進むに従って出場機会はそれなりに増えると予想される。
鎌田はボランチでの出場、81分にカウンターで抜け出してゴールを決めたが、オフサイドで取消。微妙だったが、カタールW杯でも採用されるセミオートオフサイドの判定により、惜しくもCL初ゴールを逃してしまった。
UEFA公式では鎌田がマン・オブ・ザ・マッチ、一部メディアでは長谷部が最高評価と、ともにプレーの質は高かった。
ここ数年の長谷部は、「フランクフルトでCLを戦うことが夢」と語り、「フランクフルトのようなクラブがCLの舞台に立つことはすごいこと」といったような発言をしばしばしてきた。前節では試合終盤での出場ということもあり、このマルセイユ戦こそが、長谷部が望んでいた夢がかなった時と言って間違いないだろう。

スポルティングの2戦目はホームでトッテナムと対戦。
スコアレスで進んだ試合は、後半アディショナルタイムにスポルティングが2点を入れて快勝。2連勝でD組首位に立った。

F組のセルティックは初戦で昨季の覇者レアル・マドリードとホームで対戦。0-3と格の違いを見せられる形で敗戦したが、72分までプレーした旗手怜央はメディアからの評価でチームベストプレイヤーの評価を得る。
2戦目はシャフタール・ドネツク(ウクライナ)と1-1の引き分け。旗手怜央のCL初ゴールかと思われたが、残念ながらオウンゴールに訂正。リプレイを見ると確かに相手守備の足に触れており、わずかにコースが変わったことでボールがゴールに向かっている。コースが変わらなければ、ゴールに収まったかどうかは微妙なところだ。
いずれにしろ、旗手はCL初舞台ながら、この2戦で上々の働きぶり。
グループFは、レアル・マドリードが2連勝で首位、シャフタール・ドネツクが勝ち点4で2位。セルティックは勝ち点1で3位のため、次の2節の勝ち点0で4位のライプツィヒとの連戦の結果が、決勝トーナメント進出(2位以内)を大きく左右するだろう。

クラブ名月日回戦H/A 対戦相手結果出場
田中亜土夢
HJKヘルシンキ7/61次予選1stH RFS(ラトビア)○1-0出場せず
7/121次予選2ndA RFS(ラトビア)●2-1出場せず2戦合計2-2 PK戦○4-5
7/202次予選1stH ヴィクトリア・プルゼニ(チェコ)●1-2出場せず
7/262次予選2ndA ヴィクトリア・プルゼニ(チェコ)●5-0出場せず2戦合計7-1で敗退
南野拓実
モナコ8/23次予選1stH PSV(オランダ)△1-1~67分
8/93次予選2ndA PSV(オランダ)●3-2~68分2戦合計4-2で敗退EL GSへ回る
町田浩樹
ユニオン・サン=ジロワーズ8/23次予選1stH レンジャーズ(スコットランド)○2-0出場せず
8/93次予選2ndA レンジャーズ(スコットランド)●3-0メンバー外2戦合計3-2で敗退、EL GSに回る
CL 予選ラウンド 試合結果
クラブ名月日H/A 対戦相手結果出場
鎌田大地長谷部誠
フランクフルト9/71H スポルティング●0-3~84分84分~
9/132A マルセイユ○0-1~88分フル出場
守田英正
スポルティング9/71A フランクフルト○0-3フル出場 1A
9/132H トッテナム○2-0~72分
古橋亨梧前田大然旗手怜央
セルティック9/61H レアル・マドリード(スペイン)●0-372分~後半開始~~72分
9/142A シャフタール・ドネツク(ウクライナ)△1-1~68分後半開始~~68分
CL GS第1,2節 試合結果

EL 久保建英は2戦ともに決定的な仕事で勝利に貢献、堂安律は得意のカットインからゴールを決める

EL予選は、CL予選敗退により回ってきたHJKヘルシンキが勝ち抜いてグループステージ進出を果たした。
その他、CL予選敗退によりモナコとユニオン・サン=ジロワーズがELグループステージに直行。
他4クラブが本戦グループステージからの参戦となっている。

・HJKヘルシンキ … 前年度ヴェイッカウスリーガ(フィンランド)優勝、CL予選1次ラウンドから登場して予選2次ラウンドで敗退、EL予選ラウンドへ回って勝ち抜いてグループステージ進出
・モナコ … 前年度リーグ・アン(フランス)3位、CL予選3次ラウンド敗退によりELグループステージへ
・ユニオン・サン=ジロワーズ … 前年度ベルギー・ファースト・ディビジョンA2位、CL予選3次ラウンド敗退によりELグループステージへ

・レアル・ソシエダ … 前年度ラ・リーガ(スペイン)6位
・アーセナル … 前年度プレミアリーグ(イングランド)5位
・ウニオン・ベルリン … 前年度ブンデスリーガ(ドイツ)5位
・フライブルク … 前年度ブンデスリーガ(ドイツ)6位

グループAのアーセナルは、初戦をスイスのチューリッヒとアウェーで戦って1-2の勝利、昨シーズン後半から負傷明けの復帰が思わしくなかった冨安健洋は、今季初スタメンでフル出場を果たした。
2戦目ホームでのPSV戦は試合中止で延期、エリザベス女王崩御への配慮と見られる。

グループCのHJKヘルシンキは2連敗、田中亜土夢はベンチ入りするも出場機会はなし。

グループDはウニオン・ベルリンとユニオン・サン=ジロワーズが初戦で対戦。原口元気が先発して60分までプレーした一方で、町田浩樹は負傷の影響からかメンバー入りせず。試合は0-1でアウェーのユニオンが制した。
ウニオン・ベルリンは、ホームの2戦目もブラガに1-0の惜敗、2連敗でD組3位に位置している。次の2連戦は勝ち点差なしの最下位マルメとの対戦、ここで結果を出せないとグループステージ敗退が見えてきてしまう。
ユニオンは2戦目もマルメに3-2で競り勝って2位、次の2連戦は勝ち点差なしのブラガと首位をかけての争いになる。この2連戦の結果が、そのままグループステージの結果につながりそうな気配が見える。

グループEのレアル・ソシエダは2連勝で首位を確保。久保建英は2戦ともに重要な働きをしており、勝利に貢献。
初戦のマンチェスター・ユナイテッド戦では、左サイドで孤立した状態から、サイドライン際を単独突破で抜け出してゴール前にクロスを入れる。決定的な状況だったが、惜しくも相手の攻守に阻まれた。直後のショートコーナーからのプレーでは、右ニアサイドをえぐるドリブルからダビド・シルバにラストパス。シルバのシュートがハンドの判定で得たPKをブライス・メンデスが決めて勝利した。
2戦目のオモニア・ニコシア戦では、1-1の同点に追いつかれる苦しい展開。カウンターで抜け出した久保は、相手マーカーの股下を抜いて並走するアレクサンダー・セルロートへパスを通す。セルロートが落ち着いて決めて、勝ち点3をものにした。

グループGのフライブルクは、2連勝で首位に位置している。堂安律は初戦で得意のカットインからのゴールを決めて、この試合のハイライトともいえる活躍をした。

グループHのモナコは1勝1敗の勝ち点3で3位。南野拓実は勝利した初戦で先発途中交代したものの、2戦目はベンチ入りしたが出場機会はなし。ここのところ低評価で出場機会を失っており、リーグ戦を含めて出場機会を得た際のアピールが必要な状況になっている。
リヴァプールに移籍してからも、本来の実力を発揮するまでにしばらく時間がかかったように、モナコでもまだ少し時間が必要と思いたいところだが、どうなるだろうか。

クラブ名月日回戦H/A 対戦相手結果出場
田中亜土夢
HJKヘルシンキ8/4予選ラウンド1stA マリボル(スロベニア)○0-2後半開始~
8/11予選ラウンド2ndH マリボル(スロベニア)○1-057分~
8/18プレーオフ1stH シルケボー(デンマーク)○1-0~62分
8/25プレーオフ2ndA シルケボー(デンマーク)△1-1~前半終了
EL 予選ラウンド 試合結果
クラブ名月日H/A 対戦相手結果出場
冨安健洋
アーセナル9/81A チューリッヒ(スイス)○1-2フル出場
9/152H PSV(オランダ)延期
田中亜土夢
HJKヘルシンキ9/81H レアル・ベティス(スペイン)●0-2出場せず
9/152 A ローマ(イタリア)●3-0出場せず
原口元気
ウニオン・ベルリン9/8 1H ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)●0-1~60分
9/152A ブラガ(ポルトガル)●1-067分~
町田浩樹
ユニオン・サン=ジロワーズ9/81A ウニオン・ベルリン(ドイツ)○0-1メンバー外
9/152H マルメ(スウェーデン)○3-2メンバー外
久保建英
レアル・ソシエダ9/81A マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)○0-1~78分
9/152H オモニア・ニコシア(キプロス)○2-161分~ 1A
堂安律
フライブルク9/81H カラバフ・アグダム(アゼルバイジャン)○2-1~93分1G
9/152A オリンピアコス(ギリシャ)○0-3~69分
南野拓実
モナコ9/81A レッドスター(セルビア)○0-1~57分
9/152H フェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)●0-1出場せず
EL GS第1,2節 試合結果

ECL AZアルクマール菅原由勢がケガから復帰を祝う今季初ゴール

ECLは、予選を戦った日本人選手所属4クラブのうち3クラブが敗退、菅原由勢が所属するAZアルクマールのみが本戦グループステージに進んだ。
EL予選を敗退してECLに回ってきたクラブもなし。

・AZアルクマール … 前年度エールディヴィジ(オランダ)5位、ECL2次予選から勝ち進み本戦グループステージ出場

・ジル・ヴィセンテ … 前年度プリメイラ・リーガ(ポルトガル)5位、ECL3次予選から登場も、プレーオフで敗退
・ヴィトーリア・ギマランイス … 前年度プリメイラ・リーガ(ポルトガル)6位、ECL2次予選から登場も3次予選で敗退
・ロイヤル・アントワープ … 前年度ベルギー・ファースト・ディビジョンA4位、ECL2次予選から登場もプレーオフで敗退

AZアルクマールはグループステージ初戦を0-1で勝利すると、2戦目も4-1と快勝、2連勝で首位に立っている。
菅原は昨シーズン終盤の負傷の影響から、今シーズン序盤から欠場、ベンチ入り、後半途中からの出場といった感じで様子を見ながらのプレーが続いていた。2戦目のファードゥーツ戦で今季初先発フル出場すると、後半アディショナルタイムにチームの3点目を決め、今季初ゴールとなった。
カウンターから右サイドをドリブルで上がりゴール前にクロスを上げる形だが、ディフェンスの人数が足りない相手は中央のマークに付いたまま。相手のマークが来ないのを見て、菅原はニアサイドに侵入してそのままシュート、GKの股下を抜いたシュートはファーのポストに当たってゴール内に収まった。

クラブ名月日回戦H/A 対戦相手結果出場
菅原由勢
AZアルクマール7/212次予選1stH トゥズラ・シティ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)○1-0メンバー外
7/282次予選2ndA トゥズラ・シティ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)○0-4メンバー外2戦合計○0-5
8/43次予選1stA ダンディー・ユナイテッド(スコットランド)●1-0メンバー外
8/113次予選2ndH ダンディー・ユナイテッド(スコットランド)○7-0出場せず2戦合計○7-1
8/18予選プレーオフ1stH ジル・ヴィセンテ(ポルトガル)○4-087分~1A
8/25予選プレーオフ2ndA ジル・ヴィセンテ(ポルトガル)●1-265分~2戦合計○1-6 ECL GS進出
藤本寛也新井瑞希
ジル・ヴィセンテ8/33次予選1stA リガFC(ラトビア)△1-1メンバー外~60分
8/113次予選2ndH リガFC(ラトビア)○4-1フル出場59分~2戦合計○5-1
8/18プレーオフ1stA AZアルクマール(オランダ)●4-0フル出場~86分
8/25プレーオフ2ndH AZアルクマール(オランダ)●1-253分~フル出場2戦合計●1-6 敗退
小川諒也
ヴィトーリア・ギマランイス7/212次予選1stH プスカシュ・アカデーミア(ハンガリー)○3-0フル出場
7/283次予選2ndA プスカシュ・アカデーミア(ハンガリー)△0-0~82分2戦合計○0-3
8/43次予選1stA ハイドゥク(クロアチア)●3-1フル出場
8/103次予選2ndH ハイドゥク(クロアチア)○1-0~81分2戦合計●2-3 敗退
三好康児
ロイヤル・アントワープ7/212次予選1stH ドリタ(コソボ)△0-0~75分
7/282次予選2ndA ドリタ(コソボ)○0-284分~2戦合計○0-2
8/43次予選1stA リールストロム(ノルウェー)○1-3~79分 2A
8/113次予選2ndH リールストロム(ノルウェー)○2-0出場せず2戦合計○5-1
8/18予選プレーオフ1stA バシャクシェヒル(トルコ)△1-187分~
8/25予選プレーオフ2ndH バシャクシェヒル(トルコ)●1-3~60分2戦合計●2-4 敗退
ECL 予選ラウンド 試合結果
クラブ名月日H/A 対戦相手結果出場
菅原由勢
AZアルクマール9/81A ドニプロ-1(ウクライナ)○0-161分~ 1A
9/152H ファドゥーツ(リヒテンシュタイン)○4-1フル 1G
ECL GS第1,2節 試合結果
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