欧州カップ戦(CL・EL・ECL)予選の仕様 ~2023-24

【こちらの記事は2023-24シーズンまでのものです】
2024-25シーズンからの仕様についてはこちら。

現在、欧州カップ戦の予選が始まっているが、この予選の仕様が非常に分かりづらい。少し概要の把握ができるようにまとめてみた。

2020-21シーズンまでの欧州カップ戦(CL・EL)予選の仕様

こちらが、2020-2021シーズンまで、つまりUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)が新設される前の仕様。

「欧州カップ戦(CL・EL)予選の仕様 2020-21まで」

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とUEFAヨーロッパリーグ(EL)の2本立てで、CLの予選に敗退すると、次のラウンドのELの予選、あるいはグループステージにスライドする仕組みになっている。
図には記載されていないが、CLの予選は「優勝クラブ予選」と「上位クラブ予選」に分かれていて、2つのルートはグループステージに至るまで交わることはない。
同様にELの予選は、「チャンピオンルート(※1)」と「メインルート(※2)」に分かれており、2つのルートはグループステージに至るまで交わることはない。
 ※1 CL予選のうち「優勝クラブ予選」の敗者が合流してくるルート
 ※2 EL予選資格クラブに加えて、CL予選のうち「上位クラブ予選」の敗者が合流してくるルート

CL・ELの2本立てだった頃は、予選出場権を獲得しても、本戦出場はほとんど保証されていないことが分かる。

2021-22シーズンからの欧州カップ戦(CL・EL・ECL)予選の仕様

こちらが、2021-2022シーズン、つまりECLが新設された直後の仕様。

「欧州カップ戦(CL・EL・ECL)予選の仕様 2021-22以降」

CLとELとECLの3本立てで、CLの予選に敗退するとELやECLの予選やグループステージに、ELの予選に敗退するとECLの予選やグループステージにスライドする仕組みになっている。
CL予備予選と予選1回戦の敗者のスライド先が、従来のELではなく、ECLの予選2回戦に変更されている。
こちらも図には記載されていないが、CLとELの予選は2ルートに分かれており、2つのルートはグループステージに至るまで交わることはない。
同様にECLの予選は、「チャンピオンズ・パート(※3)」と「メイン・パート(※4)」に分かれており、2つのルートはグループステージに至るまで交わることはない。
 ※3 CL予選とEL予選「チャンピオンズ・パート」の敗者が合流してくるルート
 ※4 ECL予選資格クラブに加えて、EL予選のうち「メイン・パート」の敗者が合流してくるルート

また、これまでは上位リーグ(CL)グループステージの3位は下位リーグ(EL)の決勝トーナメントに直接進んでいた。これが、2021-2022シーズンからの変更で、上位リーグ(CL,EL)のグループステージ3位は、下位リーグ(EL,ECL)2位との決勝トーナメントプレーオフを経て、勝者が決勝トーナメントに進むように変更された。

CL・EL・ECLの3本立てになったことで、CLやELの予選出場権の多くは、3つの欧州カップ戦のどれかには本戦出場できることが確定していたり、本戦出場の可能性が高くなったことが分かる。
一方で、ECLの予選出場権は、一度でも敗退すればその時点で終了となるため、ECL本戦にたどり着くためには、勝ち抜け続けなればならない。

上位リーグが関係する欧州カップ戦(CL・EL・ECL)予選の仕様

日本人の移籍先として主だった国は、5大リーグの他には、ベルギー、オランダ、ポルトガル、ロシア、オーストラリアといったところで、これらは皆UEFAランキングが6-15位で安定している。
その他、2019-20シーズン終了時点でのUEFAランキングで、古橋亨梧が移籍したスコットランドは14位(ひとつ前ランクでは20位)、20位以上には大体ランキングされている。
現在所属する日本人選手はいないが、長友佑都や香川真司が過去に在籍し、日本人の移籍先として度々名前もあがるトルコも10位前後で安定。

CL予備予選と1回戦の出場権はUEFAランキング18位以下の国のリーグで得られ、ECLの1回戦の出場権は29位以下の国のリーグで得られる。といったことを踏まえると、CL予備予選と1回戦、ECLの1回戦のことは、あまり考慮する必要はない。それらを除いた図にすると、だいぶスッキリする。

ちなみに、浅野拓磨がいたセルビアが19位、香川真司がいるギリシャが18位(ひとつ前のランクでは14位)、川辺駿などがいるスイスが17位。
本田圭佑がいたアゼルバイジャンは26位で、昨シーズン優勝したチフネ・バクーはCL予選1回戦から参戦している。

「欧州カップ戦(CL・EL・ECL)予選の仕様 2021-22以降 抜粋」

CL予選2回戦の出場権やEL予選ラウンド(予選3回戦相当)出場権を確保して、どこかで1回は勝ち抜ければ、最低限ECLには出場できる。
CL予選3回戦の出場権やELプレーオフの出場権を確保できれば、最悪でもECLに出場でき、1回でも勝ち抜ければELに出場できることになる。

ECL予選の出場権に関しては、5大リーグ(UEFAランキング5位まで)で得られるECL予選の出場権はプレーオフなので、本戦出場の可能性は五分五分。
しかし、それ以下のリーグで得られるECL予選出場権は1-3回戦なので、ECL本戦出場の望みは高いとは言えない。CL予選2回戦以上かELの予選出場権を持っていないときびしい。

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