三笘薫がリーグ戦初ゴールを含むハットトリックの活躍で0-2から逆転勝利

三笘薫を活かすには、フォーメーションの変更も必要か?

三笘の出場時間がこれまで限られていた理由は、もちろん加入以後チームに慣れる時間が必要だったこともあるが、一番の理由はユニオンが使用しているフォーメーションにある。

ユニオンは3-5-2のフォーメーションを使用しており、これは昨シーズン2部で戦っていたときからのものだ。

このシステムに三笘を当てはめるなら、左ウイングバック(WB)、もしくはツートップの左ということになる。
WBでも問題はないが、後ろにサイドバックが居ないため、守備負担が大きくなってしまう。
ツートップの一角でもフィニッシュの位置としてはOKだが、ドリブルを最大限に活かすなら2列目の位置のほうがより適任だ。

三笘の特徴を活かすことを考えるなら、最適なポジションは左サイドハーフ、左ウイング、もしくはツーシャドーの左ということになるだろう。つまりフォーメーションとしては4-2-3-1か4-4-2、4-3-3、3-4-2-1あたりになる。

ユニオン側としては、三笘は自らが欲した選手というわけではない。親クラブにあたるプレミアリーグのブライトン(※)が獲った選手で、修行先としてレンタル派遣されてきた選手に過ぎない。三笘の特徴とユニオンのフォーメーションが噛み合わないのも当然のことなのだ。
 ※ブライトンのオーナーが、ユニオンの経営権を取得した

ただ、この試合の活躍を考えれば、次の試合となるかは分からないが、近い内に三笘の先発起用は十分に考えられる。
そうなったときに、このまま3-5-2のフォーメーションに三笘を当てはめるのか、それとも三笘を活かすためのシステムに変えてくるのか、そのあたりは注目ポイントだ。
三笘は、この試合でそれだけのものを首脳陣、チームメイト、そしてファンに対して示したことは間違いない。

日本代表での活躍も期待される三笘薫

当然、代表での活躍も期待されるが、こちらの記事でも述べたとおり、もっと早くに招集してもおかしくなかったはずだ。

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9月の代表ウィークは、三笘もチームに合流した直後ということもあり、招集は難しかったかもしれない。だが、10月の代表ウィークに呼ぶには、三笘の状況としてもちょうどよかったはずだ。

クラブにも慣れた時期でもあり、前項で述べた通りシステム上の都合などから三笘の出場時間は試合終盤に限られていた。疲労の蓄積などの問題はなく、コンディション的にはベストな状態だったはずだ。

一方で日本代表は、アウェーのサウジアラビア戦を1-0で落とし、ホームのオーストラリア戦は2-1で勝利した。
サウジアラビア戦の後半途中から1点が欲しい場面で投入はあり得ただろうし、オーストラリア戦は4-3-3の左ウイングとしての使いみちは十分に計算できたはずだ。

東京オリンピックの際は、コンディション不足から起用されても本来の持ち味が出ない試合が続いたが、最終試合の3位決定戦でようやく本領発揮した。敗れたものの一矢報いた形になった活躍は、対戦相手のメキシコに「三笘が先発でなくて良かった」と言わしめた。

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そういった経緯も踏まえれば、9月に苦戦したあとの10月は招集してしかるべきだっただろう。

また、三苫の側にも代表に招集してもらいたい事情がある。
デビュー6試合を経て、既にベルギーでは十分に通用するだけのものを見せている。となれば、次は早めに所属元のブライトン、つまりプレミアリーグの舞台へとステップアップしたい。
このプレミアリーグに出場するためにイギリスの外国人労働許可証が必要で、そのためにはA代表での出場試合数が重要になってくる。代表に呼ばれれば、積極的に参加するはずだ。

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