久保建英の3つ目の課題は守備

久保の3つめの課題は守備

久保が将来的にレアル、あるいは他の強豪クラブにたどり着いたとして、どこのポジションを担うべきなのかということを考えると、それはインサイドハーフなのではないかという思いがある。
なぜかと言うと、トップ下があればそこがベストだと思うが、今はトップ下を置かないフォーメーションも多く、特に強豪クラブでは4-3-3を採用しているケースが多い。そのフォーメーションで現状久保が担えるのは右ウイングになるが、このポジションでは本職のウインガーとポジションを争わなければならない。それよりも、パスのセンスを活かせるポジションとなれば、中央寄りのインサイドハーフになる。

少し話はそれるが、久保がバルセロナで馴染みの深い選手といえば、「バルサの神童」と呼ばれるアンス・ファティがいる。久保のひとつ年下、バルサの下部組織ラ・マシアで一緒にプレーした仲で、ラ・リーガの舞台に上った今でも親交は深いようだ。

そして、もう一人バルサに久保に縁がありそうな選手が現れた、それがペドリ・ゴンザレスだ。昨シーズンにバルセロナに加入すると、あっという間にレギュラーに定着。さらにスペイン代表でもレギュラーの座を勝ち取り、A代表のユーロでは全試合に出場してベスト4、U-24の東京五輪でも全試合に出場して銀メダル獲得。
久保とペドリに直接的な関係はないが、互いに意識している面がある。昨シーズンのラ・リーガ第3節バルセロナ対ビジャレアル戦、ペドリは70分に途中出場でバルサでのデビュー戦を飾ると、久保も直後から途中出場。試合後に二人は歩み寄ると、ペドリからユニフォームを交換を求めた。ペドリはマジョルカ時代から久保に注目していて、「クボが素晴らしい選手になると思っているから、ユニフォーム交換を申し出た」とのことだ。久保の方にも、ペドリには何か感じるものがあるに違いない。

今はドリブルとパスを武器にしている久保だが、ドリブラーの宿命として、歳ともにドリブルは衰え、ケガが原因でドリブルができなくなってきたりもする。香川真司は正にそうであったし、その例から漏れているのはメッシやロッベンくらいなものだ。
久保が20代の半ばを過ぎて、ドリブルがしづらくなってきた頃に頼れるのはパスのセンスで、それを十分に活かせるポジションはインサイドハーフということになるのではないか。

ペドリは「スペインの至宝」あるいは「イニエスタの再来」と呼ばれている。ペドリの身長は174cmで、イニエスタは170cm、もう一人、久保がメッシよりも似ていると評されるダビド・シルバは170cm。そして、久保は173cmだ。
ペドリのポジションは、トップ下、インサイドハーフ、左ウイング、2シャドーの一角、東京五輪でもそうであったように、4-3-3のフォーメーションなら主にインサイドハーフのポジションだ。イニエスタはインサイドハーフがメイン。シルバもトップ下とインサイドハーフがメインとなるポジションだ。
久保はいまのところは、日本代表ではトップ下、2シャドーの一角がメインで、右サイドハーフもこなすといったところ。ところが、スペインではほとんど右サイドハーフがメインとなっている。トップ下でプレーすることもあるが、その場合には守備やボール保持といった当たりの強さが求められる部分が明確な課題になっている。
しかし、ペドリ、イニエスタ、シルバがインサイドハーフをメインでこなしていることを考えれば、久保もそのポジションでプレーできないことはないはずだし、それを目指すべきではないだろうか。

インサイドハーフでプレーするためには、守備もこなせなければならず、久保にとっては、そこがいずれは求められてくる要素になってくるだろう。守備力は年齢とともに経験が積み重なって長けてくる面もあるので、そこは中期的な課題になるだろうか。
まずは、「シュート」「ボール保持」の直近の課題の克服に努めることが優先だが、その先には守備の課題に直面するような気がする。

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