久保建英ヘタフェ移籍後11戦目で初アシスト

21日の第28節エルチェ戦で、久保がヘタフェ移籍後ようやく初アシストを決めた。
残留争いをするエルチェに前半に先制され、1点を追う後半15分。ペナルティライン沿いをドリブルで攻め上がってから、グラウンダーのクロスをゴール前で待ち構える10エネス・ウナルへ通した。マーカーだけでなく、その先のディフェンスの股下を抜いた久保らしいアシストだ。

このワンシーンだけは、昨シーズン後半のマジョルカで活躍していた頃を彷彿とさせるような姿だった。久保にとって待望の結果が、移籍後11戦目にして得られた。
その間、出場時間も徐々に減っていってはいたが、チームメイトからの信頼は失ってはいなかったようで、そのあたりはゲーム中の様子から十分に感じられた。フリーキックも相変わらず任されている。

ただ、アシスト以外のところでは、相変わらず簡単に潰される様子が目に付いた。

まず最初が前半5分、左からのFKを味方がヘディングして、ペナルティエリア内の久保が肩でトラップしたところを、左から相手DFがチャージして久保が倒れた。ファールをアピールするも、笛は吹かれない。
久保は背中を押された形にはなっているが、相手は肩でチャージしているし、ボール争いの結果と見えなくもない。明確にファールと取ってもらえるような状況ではないだろう。
久保にもう少しウエイトがあって、踏ん張りが利けば、倒れずにキープできたかもしれない。

次が前半25分、前線に送られたパスをペナルティエリア左サイドからニアゾーンに向かってドリブルで進出するも、相手マーカーに潰される。ここは、久保もファールをアピールせず。
ここもショルダーチャージで潰されたように見えたが、リプレイをよく見ると、正確にボールへのカットが入っている。タイミング的にも、久保がラストパスを出す直前と思われる瞬間にカットされており、エリア内にも関わらず冷静に対処した相手ディフェンダーをほめるべきだろうか。
久保も審判にアピールはせず、両手で地面を叩いて悔しがるしかなかった。

ペナルティエリア内では上記の2シーンだけだったが、他にも前半に2回エリアのすぐ外で不用意に潰されてる場面があった。ここを踏ん張れていれば、チャンスを創出できていたかもしれない。このあたりの脆さは、なんとか改善したいところだろう。
ヘタフェはポゼッション率も低いので、試合の中で久保がボールに触れられる回数自体も当然少なくなる。ひとつひとつを大事にしたいところだ。

後半10分にフリーキックも蹴ったが、これもこれまで同様に課題が見える。威力、コース、曲がり方、すべての面でまだまだ不足している。相変わらず得点の匂いはあまり感じられない。
フリーキックの機会のほとんどを直接狙っている感じだが、アシスト中心にシフトしてみてはどうだろうか。

以前の記事で書いた通り、このふたつは今シーズンの課題として目につくところだ。

試合の方は、後半26分に久保が交代で退いた後、後半35分にPKを得て、逆転の絶好のチャンスだったが、これを決められずヘタフェは1-1のドローで終了した。

ひとつ明確な結果が出たことと、久保本来の良さが形として現れたことが好材料に思える。チームメイトとの連携は徐々に良くなっている感じなので、今シーズン残り3分の1ほどで、こういった場面をどれだけ作り出せるかに注目したい。

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