20204-25シーズンから、欧州カップ戦の開催方式が変更になっている。その概要について。
【2023-24シーズンまでの欧州カップ戦の仕様についてはこちら】
2024-25シーズンからの欧州カップ戦(CL・EL・ECL)の仕様
予選の仕様
予選に関しては、大筋の仕組みに関しては変更点はない。
- 1対1のホーム&アウェー方式での勝ち抜け。
- 勝者は次のラウンドに進出。(予選またはグループステージ)
- 敗者は格下の欧州カップ戦の次のラウンドに進出。(予選またはグループステージ)
予選ラウンド(3回戦相当)とプレーオフだけになっていたUEFAヨーロッパリーグ(EL)の予選に、1,2回戦が追加されて、3つのカップ戦ともに予選は1回戦からになった。
これは、2020-21シーズンにUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)が新設された際、EL予選1,2回戦の役割をECLにスライドさせた面がある。この点を今回修正・整備したものと思われる。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の予備予選がなくなっているが、これはCLグループステージの枠が拡大した結果と見られる。CL予備予選については、今後も予選出場クラブ数とグループステージ出場枠の兼ね合いによって、必要がある際は追加されるのだろう。
注)UEFAヨーロッパカンファレンスリーグは、2024-25シーズンからUEFAカンファレンスリーグに名称変更されている。略称に関しては、UEFAチャンピオンズリーグとの混同を避けるため、ここでは暫定的に旧称のECLとしている。
また、図では複雑になってしまうため図示していないが、各予選で2つのパートに分かれており、互いのパートが交わることはない構造になっている点も変更はない。(EL予選プレーオフは除く)
- CL予選は2パートに分かれている。「国内リーグ優勝クラブのパート」「国内リーグ2位以下のクラブのパート」
- ELは予選3回戦のみ2パートに分かれている。「CLの国内リーグ優勝クラブのパートの敗者が合流してくるパート」「CL国内リーグ2位以下のクラブのパートの敗者が合流してくるパート」
- ECL予選も同様に2パートに分かれている。「CLの国内リーグ優勝クラブのパートの敗者が合流してくるパート(EL予選を経由するものも含む)」「ECL予選出場権・EL予選の敗者・CL国内リーグ2位以下のクラブのパートの敗者がELを経由して合流してくるパート」
CL予選3回戦の敗者が進むルートが2つあるのはこのためで、「国内リーグ優勝クラブのパート」の敗者はEL予選プレーオフに進むが、「国内リーグ2位以下のクラブのパート」の敗者はELグループステージに直接進む。
CL予選1回戦の敗者の進む先がECL予選2回戦・3回戦に分かれているのは、この2つのパートの関係ではなく、単純に数合わせの問題からと思われる。
日本人選手がステップアップとして移籍するリーグで得られる予選出場権の多くは予選2回戦以降のため、予選1回戦を省くとよりスッキリする。
2020-21シーズンから2023-24シーズンまでと比較して、EL予選2回戦が追加された事以外に大きな変更点がないことがより明確に分かる。
本戦の仕様
本戦の仕様で最大の変更点はグループステージが『スイス方式』に変わる点だ。
この変更により、グループステージの名称もリーグフェーズに変更になる。
これまでは4チームごとに組分けをして、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出していた。
3位のチームは、下位の決勝トーナメントに進出(2020-21シーズンまで)、または下位のグループステージ2位と決勝トーナメント・プレーオフを戦って勝者が決勝トーナメントに進出していた(2023-24シーズンまで)。
これが、組分けをせずに全チームがランダム(※)に計8試合を行う方式に変わる。その成績順により1-8位は決勝トーナメント進出、9-24位は決勝トーナメントプレーオフを戦って勝者が決勝トーナメント進出となる。
この変更により、CL・EL・ECLのグループステージは36チームになり、4チーム増枠された。
また、下位リーグの決勝トーナメント進出、あるいは決勝トーナメント・プレーオフへの進出はなくなった。つまり、下位の欧州カップ戦へのスライドがあるのは予選までで、本戦に入ってからはない。
※実力等によるポット分けはある。
決勝トーナメントの変更点は特になく、ラウンド16(決勝トーナメント1回戦)からホーム&アウェイの勝ち抜き戦となり、決勝のみが事前に決定されているスタジアムでの一発勝負。