カタール・ワールドカップを見据えた日本代表のベストメンバー

カタール・ワールドカップを見据えた日本代表ベストメンバーの考察

基本布陣を4-3-3、オプションを4-6-0、4-2-3-1として、カタールW杯を見据えたベストメンバーを考察してみる。

GK 現状維持で問題なし

権田修一と川島永嗣、ベテラン二人の経験を頼ることで問題ないと思われる。というか、それ以上の選択肢が他にないのが現状。

GKに関しては、全盛期の川島以上に海外でポジションを確保して活躍している選手が出てきていない。所属クラブでレギュラーを確保できているのはシュミット・ダニエルくらいだが、シント・トロイデンのシュミットでは実力的に不安な状態。ポルティモネンセの中村航輔は、ずっと第二GKのままでレギュラーの壁は厚く阻まれている。
若い世代に目を向けると、小久保玲央ブライアンなど海外で経験を積み将来期待できそうな人材はいるが、まだ先の話になる。

今回招集メンバーを見ても、権田と川島が当確で、シュミットと大迫のどちらかが3人目に入るという感じになるのではないか。
出場すれば4大会目となる川島は、ベテランとしてチームを支えるとともに、仮に試合に出場しなかったとしても、貴重な経験をチームにもたらしてくれるに違いない。

DF CBは問題なし、左SBは引き続き悩みどころ、右SBは菅原由勢を推す

CB … 吉田麻也、冨安健洋、板倉滉、伊藤洋輝 or 谷口彰悟

CBのファーストチョイスはキャプテンの吉田と富安で安定。控え一番手はこれまでの実績から言っても、今シーズンのシャルケでのプレーを見ても板倉。ここまでは、当確と見ていいはず。
もう一人誰を選ぶかに関しては悩みどころだが、伊藤はこの6月に試してみてどうなるかというところ。今季シュトゥットガルトでブレイクすると、そのまま左CBのポジションを確保してシーズンを通してプレーした。
伊藤の経験に不安があるということになれば、谷口と言うことになるだろうか。

板倉はボランチをこなすこともできる。今シーズン所属したシャルケではCBとしてレギュラーに定着、監督交代後はボランチとして起用されており、いずれにしろシーズンを通して守備の要として信頼度は高かった。
今シーズン後半に何度も怪我をした冨安の状態は気にかかる。吉田、冨安、板倉のうち誰か一人でもメンバー入りできないということになればCBのメンツに不安が生じる。その意味でも、4人目、5人目のCBの候補者の人選は意外と重要になる気がする。

右SB … 菅原由勢、酒井宏樹 or 山根視来

ここ1,2年、酒井の次の2番手と言うと、海外組では室屋成、国内組では山根視来が招集されているが、海外組を見ていて室屋よりは菅原とずっと感じており、なぜ代表に呼ばないのだろうか? と思っていた。ようやく久々の招集となったので、6月の試合で結果を残して、メンバー選考に残って欲しい。所属のAZアルクマールでは、右SBとして攻守に安定感を見せているのはもちろんのこと、今シーズンは一列前のサイドハーフ、ウイングとしても複数試合で起用されており、左サイド前よりのポジションでの起用もあった。ユーティリティという面でも幅を広げている。

酒井には年齢からくるコンディション的な不安はある。特に、今回のW杯開催がが11月ということもあり、Jリーグでシーズン丸々を戦ったあとにコンディションがどうなっているか、ということは考慮しなければならない。
その場合は、菅原と山根という選択もあり得るかもしれない。

左SB … 中山雄太、長友佑都

左SBに関しては、未だにこれがベストという人選は難しい。
海外組を見回してみても、左SBを定位置として活躍している人材はいない。
今回招集メンバーを見ても、この二人以外の候補者は呼ばれていないため、新たに頭角を現してくる者が出てこない限り、この2人で本番も戦うことになるのだろう。

MF 遠藤航、守田英正、田中碧の控えの確保が急務

基本布陣が4-3-3に設定されて以降、ボランチの重要度は一気に増した。アンカーの遠藤、守田と田中の両インサイドハーフというファーストチョイスが万全である一方、その代わりとして出場する選手に不安があり、このポジションの控えを確保することは一番の課題となっている。

アンカー … 遠藤航

正直なところ、アンカー遠藤の代わりを見つけることは不可能だと思う。これは、4-3-3を採用している欧州のクラブチームを見ても、優秀なアンカーの控えに万全という人材はおらず、インサイドハーフの選手が代わりを務めるという場合が多い。同様に、遠藤を休ませる場合には守田が代わりを務めるか、あるいはダブルボランチの布陣に変更して対応することになるだろう。

インサイドハーフ … 守田英正、田中碧、森岡亮太、原口元気

インサイドハーフの控えとしては、現状で原口元気と柴崎岳が努めている。
個人的には原口は合格点、むしろ所属チームでの活躍を考えれば、代表でももっとプレー時間を与えてもいいと感じている。

柴崎に関しては、正直なところ代表はもういいのではないかと思う。ボランチ柴崎が重要だったのは、森保ジャパン発足当初に南野がトップ下を努めていたことに理由がある。トップ下にゲームメーカーではない南野が配置されていたことで、ボランチにゲームメーカーとしての能力が多分に求められており、その点に関して柴崎の能力は重要だった。
しかし、柴崎のフィジカル不足からくる守備の強度の弱さはネックになっており、スペイン1部ではボランチとして十分に起用されることはなかった。そのことを考えれば、W杯という舞台ではその点が必ず問題になるはずだ。特に日本の同組にはスペインがおり、フィジカル重視の面があるブンデスリーガのドイツもいる。守田や田中といった選手が台頭してきた以上、柴崎の代表での役割は終わったと感じるが、森保監督の中ではそうではない様子。

森保監督は鎌田大地を今回呼んでおり、トップ下の他にインサイドハーフとしての適性もテストするようなので、これについては賛同できる。
堂安についても同様のようだが、これに関しては個人的には微妙に思う。堂安は昨季所属したアルミニアや今季のPSVでもインサイドハーフも多少努めてはいるが、試合を見るにやはり守備の面での貢献度はそれほど高くはない。森保監督がインサイドハーフに求めるボランチ的な守備力には大分及ばない気がする。個人的見解では、堂安はあくまで右サイドの攻撃的な選手という位置付けになる。

他に海外組でこのポジションの適正のある人材を探してみると、藤本寛也、奥川雅也といった名前も上がってくるが、どちらも攻撃的なところに重きがあり、守備面では不安が伴う。通常であれば試してみたい人材だが、W杯イヤーでは話が異なってくる。
攻守両面で信頼の置けるインサイドハーフということになると、適任なのが森岡亮太だ。ベルギーの地でボランチ、インサイドハーフ、トップ下をこなし、守備の面での不安は感じさせず、戦術眼やスルーパスの能力に優れている。アギーレ、ハリルホジッチ両監督時代に代表経験があるが、それ以降は代表から遠ざかっている。今回のメンバーにも入っていない。しかし、4-3-3という基本布陣を考えれば、森岡は適任としか言いようがない。柴崎ではなく森岡を入れておくべきだと、個人的には思う。

他には川辺駿も候補には上がってくるか。攻守両面での安定感がある。スイスのグラスホッパーで活躍しているが、今冬に提携クラブのプレミアリーグ・ウルヴァーハンプトンに所属が移った。
大穴的に橋本拳人も面白いかなとは思うが、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシアのロストフからヴィッセル神戸に一時的に加入している状況。夏以降所属クラブに恵まれてプレーでも活躍できれば…… とも思うが、いずれにしろW杯本番には間に合わないだろう。

タイトルとURLをコピーしました