南野拓実とモハメド・サラーの相性の悪さは一歩前進か

11月24日、UEFAチャンピオンズリーグ グループステージ第5節、リヴァプール(イングランド)対ポルト(ポルトガル)の試合が行われ、リヴァプールは2-0で勝利した。
この試合のモハメド・サラーが奪った2点目のゴールの場面について注目したい。

2試合を残して既に首位通過が確定という状況から、控えメンバー中心の構成となり、南野もCFの位置で先発フル出場した。
主力メンバーから先発で出場したのは、GKアリソン・ベッカー、CBジョエル・マティプの他に、モハメド・サラー、サディオ・マネが左右のWGとして先発した。

52分にティアゴ・アルカンタラの見事なゴールで先制。
70分には、自陣から大きく蹴り出したボールを右サイドを抜け出したサラーが収める。ボールを一旦ジョーダン・ヘンダーソンに預けて一人かわすと、そのまま中央へ向かってエリア内へと侵入。ドリブルで一人かわして、二人目の脇を通して追加点を上げる。

この場面、中央の南野はヘンダーソンにボールが渡った時に、ゴール前に飛び出そうとしているが、サラーにボールが渡ったことで動きを止めると、わずかに後退している。

リヴァプール加入当初は、この状況でゴール前の好位置にポジション取りをしてしまい、それがサラーの進路を塞ぐ形になっていたことが何度かあった。通常であればそのポジション取りで間違いないのだが、エースのサラーがそのスペースを使うので、そこは開けて置かなければならない。リヴァプールが3トップの布陣ながら、偽9番のシステムを用いているのは、両翼のエースがゴール前に侵入してくるためだ。南野もようやくリヴァプールのシステムの順応してきたことが見て取れる。

サラーとの相性が悪いのではないかということは、実は南野が加入して少し経ってから、ずっと気になっていた。
プレー全体で見れば、気になるようなほどではないのだが、決定機ではサラーがドリブルで進もうとする先に南野が待ち構えていて、パスを要求するという場面は加入直後に何度か見られた。
レッドブル・ザルツブルクであれば、そこでパスが入って南野が決めるということになるが、ここリヴァプールではサラーが絶対的なエースだ。サラーのドリブル先と被るのであれば、譲らなければならないだろう。

今回サラーにパスが入って、ドリブルを開始したのを見て南野は一歩引いたが、その先を考えればサラーのドリブルが詰まった場合に、パスを貰ってゴールできるポジション取りをすることだ。そうすることで、サラーと組んでCFのポジションでプレーできる資格を得ることができるのではないだろうか。
もっとも、その状態になったサラーからパスが出ることはあまりないのだが。

一方、左サイドのマネとは相性がいい感じで、マネが左からボールを持って侵入してきてフィニッシュできなければ、ゴール前の南野にパスして決めるという場面は過去にもある。互いにレッドブル・ザルツブルク出身ということもあり、プレー面でも共有しているものもあるのだろうが、使うスペースの面での相性もいいように見える。

先週末の試合で、南野は待望のリーグ戦初ゴールを上げ、クロップ監督も今後の出場機会も増える旨のコメントしている。今後1ヶ月の間にサラーとの連携を深めたいところだ。
その後には、南野にとっては大きなチャンスが待ち構えている。サラーとマネが、アフリカネイションズカップで1ヶ月ほどチームを離脱する。この時期にはロベルト・フィルミーノは怪我から復帰していると思われるため、前線はフィルミーノ、ディオゴ・ジョッタ、南野、ディボック・オリジの4人を中心に回していくと予想される。あとは、1月の移籍市場で新加入の選手を取るかどうかだろう。

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