東京五輪3位決定戦は、メキシコに敗戦してメダル獲得ならず

メキシコ対日本戦の総括

メキシコと再戦することになって、正直あまりいい予感はしていなかった。
グループリーグ2戦目の出会い頭の2発がなかった状態での試合を想定すると、地力ではメキシコのほうが上回っているのではないかと思っていたし、それは準決勝のブラジル戦を見て尚更そう思った。

試合展開は五分の状況ではなく、グループリーグとは真逆に序盤にメキシコに2点を奪われて、日本は追いかける展開。前に出るしかない日本だが、前半をそのままのスコアで終える。
後半が始まってしばらくするとメキシコが追加点を決めて、勝負を決める。これは、グループリーグで日本ができなかったことを、メキシコはやってのけた。

日本は、ここから三苫を投入する。直前のケガの影響から出番も限られ、これまでは出場しても沈黙していた感じだったが、ここで初めて三苫無双が発揮される。メキシコの堅守をドリブルで切り裂いてチャンスを創出、78分にはドリブル突破からゴールも決めた。
三苫はこれから欧州に旅立つことを考えると、最後の最後で活躍できたことで一安心できる。

やはり勝負を分けたのは、3点目を奪われたことだったかもしれない。
グループリーグの試合では、日本は3点目を奪えず、後半途中からメキシコの攻勢を受け続けた。メキシコは数的不利な状況ながら85分に1点を返すと、終盤にさらに畳み掛けてきて、あわや同点という場面もあった。これは2点差しかついていなかったから、1点を返してもう1点という状況があったからだ。
対するこの試合では、3点差がついており、78分に1点追いついたが、まだ2点差がある。これがあと1点で同点という状況であれば、メキシコにかけるプレッシャーの度合いは大きく違ったはずだ。その後もあわやもう1点という場面はあっただけに、三苫の存在が脅威になっている状況を合わせれば、メキシコに思わぬミスを生じさせていた可能性もあったかもしれない。

三苫の投入は3点目を奪われてからだったが、3点目を奪われる前に投入していたらだどうだったろうか。例えば、後半開始から相馬と交代で入ったのは旗手だったが、三苫をこのタイミングで投入できていたら、メキシコに3点目を奪われる前に日本が1点返せていたかもしれないし、少なくともメキシコを押し込む展開になって3点目は奪われなかったかもしれない。
メキシコ側からも、「三苫が先発でなくて良かった」といったような声も聞かれる。
ただ、三苫はこの試合の前までに出場しても効果的な役割は果たせておらず、簡単にはそういう判断はできなかったのだろうし、いずれにしろ「たられば」の話に過ぎない。

試合全体を見れば、やはりメキシコは強く、地力では日本より上だったように思う。
また、日本の主力は出ずっぱりに近い状況があり、疲労の蓄積はあったはずだ。この試合では遠藤が一番そう見えたし、久保や堂安もそうだろう。本来持っているパフォーマンスが十分に発揮できたとは言い難い。

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