ベルギー・リーグのチャンピオンシッププレーオフ第5節が5月20日に行われ、クラブ・ブルッヘがアンデルレヒトと3-3で引き分けて、最終節を残して優勝を決めた。来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)の本戦出場権を獲得。
伊東純也の所属するヘンクは、三好康児の所属するアントワープに4-0で勝利した。首位クラブ・ブルッヘと勝ち点3差としたが、最終節の直接対決を制してもレギュラーシーズン首位のクラブ・ブルッヘの優勝となる。そのため、ヘンクの2位が確定し、来シーズンのUCL予選3回戦出場権を獲得した。
5月23日に行われた最終節では、ヘンクはクラブ・ブルッヘに2-1で勝利。先発出場した伊東純也が後半13分に交代で退いた後にスコアが動いた。
アントワープはアンデルレヒトに1-0で勝利して、最終節で逆転の3位、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)出場権を獲得した。三好康児はベンチのまま出場せず。
プレーオフ開始時点で首位のクラブ・ブルッヘが2位に勝ち点8差を付けており、レギュラーシーズに築いた貯金を活かしたまま逃げ切りで優勝を決めた。(レギュラーシーズンの勝ち点の半分がプレーオフに持ち越される)
2位から4位までは、それぞれ勝ち点1差と団子状態から、ヘンクが5勝1分けと快調に飛ばしたが、僅差で及ばなかった。グラブ・ブルッヘとの直接対決は制したものの、アンデルレヒトと引き分けたことで、優勝を逃すかたちになった。ここを勝利していれば、最終節の直接対決を勝ち点差1で迎えることができていただけに悔やまれる。
順位 | チーム名 | 勝ち点 | 直近の試合結果 |
1 | クラブ・ブルッヘ | 44 | ●△◯△●△ |
2 | ヘンク | 44 | ◯◯◯△◯◯ |
3 | アントワープ | 35 | ◯●●△△● |
4 | アンデルレヒト | 33 | ●△●△△△ |
伊東は3-2で勝利した第1節アントワープ戦で2アシストした後、第2節クラブ・ブルッヘ戦で1ゴールを決めて3-0の勝利に貢献、1-1で引き分けた第3節アンデルレヒト戦でも1ゴール。
2-1で勝利した第4節アンデルレヒト戦でもアシストはついていないが、ゴールにつながるチャンスを創出。先制点は伊東が敵陣で奪ったボールをポール・オヌアチュ、テオ・ボンゴンダとつないでシュート、相手キーパーが弾いたボールをオヌアチュが押し込んでいる。
4-0で勝利した第5節アントワープ戦も、先制点の場面で伊東がドリブルで切れ込んで、相手ディフェンスの足に当たってこぼれたボールを混戦の中から味方がシュートして決めている。2点目も伊東のミドルシュートを相手キーパーが弾いて、そのこぼれ球を味方がゴール。4点目も、自陣から前線に大きく蹴りだしたボールを味方が決めており、伊東にアシストがついた。
他にもゴールがゴールにはつながらなかったが、伊東が直接的に関与しているチャンスの場面はいくつか見られた。
プレーオフの6試合を見ているだけでも、伊東は出場している時間のほとんどの得点シーンに絡んでいる。
セットプレーでは、身長の関係からかゴールに関与する位置には居ないが、流れの中から生まれるゴールにはドリブル、クロス、シュートからのチャンスメイクが多く、自らゴールを決める決定力も十分に見せている。
今シーズンのヘンクの3トップは強力で、その役割の中で伊東は右ウイングとして大きく成長し、役割を果たした。
一方の三好康児は、第1節ヘンク戦で77分間プレーして1ゴールした後、第2節をフル出場、第3節は75分間、第4節も83分間、第5節も78分間と、初戦の活躍以降も毎試合十分な出場をはたした。
来シーズンに本来のポジションであるトップ下、シャドーでの定位置確保に向けてアピールできたのではないだろうか。
第2節アンデルレヒト戦で見せた三好のヒールトラップ。
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— Royal Antwerp FC (@official_rafc) May 10, 2021
第1節のゴールの場面もそうだが、三好のテクニックは、そのほとんどがプレーに直結している形で生かされている。
体格面で劣っているだけに、接触プレーを回避するだけのテクニック、プレースタイルが確立している感じで、このあたりは中村憲剛を彷彿とさせる。
久保建英の方が持っている技術的には優れているとは思うが、それを実践に生かしているという点では、現状三好の方が上だと個人的には感じる。