3月30日「2022W杯2次予選兼2023AFCアジア杯予選」モンゴル戦が行われた。
この試合は、モンゴルのホームゲームだが、政情不安や新型コロナウイルス対応の問題から、モンゴル側の申し出により日本での無観客試合となった。
また、モンゴルは25日のタジキスタン戦を0-3で落としており、この敗戦で既に2次予選敗退が確定している。
そういった事情もあるが、何よりも両チームの実力差がはっきりと出た試合展開となった。
南野のW杯予選5試合連続となるゴールをからきりに、W杯予選最多得点記録更新の14ゴールを決め、相手のシュートを2本に抑える無失点で、圧倒的にゲームを支配した。
見ていて調整試合かと思うような感じで、個人の能力差、チームプレーの実力に、あまりのも差がありすぎた。
ハットトリックで1アシストの大迫、2ゴール3アシストの伊東純也あたりが目立った活躍をしたが、後半26分からの途中出場で2ゴールを決めた古橋亨梧もいい仕事をしたと言える。所属チームのヴィッセル神戸での活躍同様に、代表での今後にも期待したい。もう少し実力のある国を相手にしたときに、どうなるだろうか。
守備陣はこれといった見せ場は一度もなく、CB2人が途中交代というレアなケースとなり、吉田、冨安に代えて、畠中槙之輔、中谷進之介の2人が出場機会を得た。
正直なところ、無理して海外組を呼ぶ必要はなかったかもしれない。
国内組だけでも十分に相手を圧倒できただろうし、もう少し競った試合展開になれば、出場機会の少ない国内組に経験を積ませることができたはずだ。
仮にそうであったなら、3月25日の日韓戦は互いの実力差はそれほど大きくもなく、競った試合になったかもしれない。
モンゴル戦は圧倒的な試合展開ということもあり、いまひとつ真の評価はしずらいが、日韓戦も含めて今回のA代表2戦の総括をしたい。
改めて日本代表のセンターフォワードは、大迫が頭ひとつもふたつも抜けているということが再認識された。ワントップでターゲットになり、ポストプレーで味方のチャンスを広げる。好機があれば自身でゴールを決めることもできる。両方のプレーが日本代表としては十分に必要なレベルでこなすことができている。
所属元のブレーメンでは、今期はノーゴールで出場機会を減らし、ポジションもフォワードからインサイドハーフに下げているが、日本代表にとってはセンターフォワードとして圧倒的な存在であることを見せつけた。
伊東純也も2戦とも目に見える形で結果を出した。
元々縦への突破が得意な選手だったが、今年に入って所属チームのヘンクの試合を見ていると、中へ切り込むことも多くなり、そこから逆足の左でゴールも決めている。プレーの幅が広がったことで、チームへの貢献度は格段に上がった印象だ。それは日本代表でも同様で、所属元での好調さが代表戦でもそのまま表れていた。
これで堂安とのポジション争いは俄然面白くなるだろうし、チームとしては選手に厚みが出たはずだ。代表の右サイド攻撃的ポジションは、さらに久保建英や三好康児も控えており、候補選びに逆の意味で悩むといううれしい状況になりそうだ。
ボランチに関しても、収穫があった。
遠藤航の成長ぶりが改めて確認され、今後の日本代表の中盤の要としてかなりの期待がもてる。
さらに、守田英正が2年ぶりの代表招集で存在感を発揮して、代表定着に向けていいアピールをした。今後の代表での活躍を期待したい。
トップ下の鎌田大地は所属元のフランクフルトで評価を高めているが、日本代表のゲームメーカーとしても安定してきた感がある。森保体制になってからゲームメイクは柴崎岳に頼りきりだった面があるが、鎌田の台頭に加え、遠藤航も要所でいいパスを供給できることから選手起用の幅は増える。
現状左サイドハーフの人材に適任者がいないような状況があり、トップ下に鎌田を据えることで南野を左サイドハーフに回すプランは効果的だった。
ゲームメーカーとしては、今回はU-24に回った久保と三好も次世代候補として控えている状況だ。