2021年夏の日本人選手の海外移籍動向、その5。
その他
その他の海外組の移籍動向。
酒井宏樹
柏レイソルから、2012年夏にドイツ・ブンデスリーガのハノーファーへ完全移籍し、4シーズン過ごした。2016年夏にフランス・リーグアンの名門オリンピック・マルセイユへと完全移籍し、5シーズンを過ごした。
今季リーグ戦終了翌日の5月24日にマルセイユ退団を自身のインスタグラムで公表。Jリーグへ帰還の意向とのことだったが、6月10日に浦和レッズへの移籍が発表された。マルセイユとは来年夏まで契約があったため移籍金が発生し、推定2億円と言われている。
東京五輪代表にOA枠で選出されており、五輪終了後にチームに合流する予定。
中島翔哉
2017年夏、FC東京からプリメイラ・リーガのポルティモネンセへ移籍し、ポルトガルに初上陸。2019年冬にカタールのアル・ドゥハイルへの移籍を経て、2019年夏にポルトガルの名門FCポルトへと移籍。
2019-2020シーズン開幕当初から、プレーの面でセルジオ・コンセイソン監督から信頼を得られていない面があった。それがシーズン後半の新型コロナウイルスの影響により中島の生活面での事情からチームに参加できないなど、監督との溝は更に広がったと思われる。(クラブ側は、クラブと中島との間に溝がないことを公表)
今シーズンはポルトでは出場機会に恵まれず、冬の移籍市場でUAEのアル・アイン へ レンタル移籍するも、2試合に出場しただけで脛骨骨折とじん帯損傷の重傷を負って戦線離脱。
新シーズンは、一旦ポルトに戻ることになるが、コンセイソン監督が引き続き指揮を執っていることからポルトでの居場所はないに等しいと思われる。移籍先を探す状況にあるが、コンディションに加えて高騰している移籍金の問題もあり、難航することが予想される。
ポルティモネンセへの復帰やJリーグも含めて他国からのオファーもあるようだが、8000万ユーロ(約104億8000万円)と高額に設定された移籍金に比べて、実際の市場価値は大幅に下落。移籍がまとまるかどうかは、ポルト側が移籍金やレンタル額をどれだけ妥協できるかになってくるのではないだろうか。
香川真司
昨シーズン、スペイン2部のサラゴサが昇格できなかったことで、お互いの合意により契約解除。今シーズンは無所属の状態が続いたが、1月にギリシャ1部PAOKと契約。
契約は来シーズン末まであるため、すでにチームに合流してトレーニングを開始している。
本田圭佑
今シーズンの本田は、ブラジルのボタフォゴ退団後、一旦ポルトガルのポルティモネンセに決まりかけたがルール上選手登録ができないことが発覚。アゼルバイジャンの強豪チフネ・バクーと契約し、優勝に貢献してシーズンを終えた。
目標としていたOA枠での東京五輪出場を逃し、一時は現役引退も示唆していたが、現役続行を宣言。日本でのプレーは改めて否定した。
柴崎岳
昨シーズン所属のデポルティボ・ラ・コルーニャが3部降格となったため、今シーズンはスペイン2部レガネスに所属した。
リーグ戦を3位で終えたレガネスは、昇格プレーオフで敗れて1年での1部返り咲きを逃した。2部での2年目を迎えることで財政的には厳しくなることが予想され、柴崎の去就にも影響があるかもしれない。契約自体はあと2年残っている。
橋本拳人
2020年夏、FC東京からロシアのロストフへ完全移籍。
シーズン序盤からゴールを決め、得点力を見せつけると、途中ケガで長期離脱もあったが19試合6得点と活躍。
契約は残り3年あり、来シーズンもロストフでプレーすると思われる。
4-3-3のインサイドハーフというポジションで新境地を開拓し、そこで得点力を見せつけたことが大きい。個人的には、日本代表でも4-3-3のフォーメーションは今後あると思っており、インサイドハーフをこなせる人材が必要になる場面はあるはずだ。橋本がボランチだけでなく、インサイドハーフの適正と得点力を証明したことは、今後の日本代表にとって大きな意味を持ってくるのではないだろうか。
植田直通
2018年夏に鹿島アントラーズからベルギー1部のサークル・ブルッヘへ移籍。
今シーズン冬の移籍市場で、フランス・リーグ・アンのニーム・オリンピックへレンタル移籍。シーズン終了後に買取オプションが行使されて完全移籍となった。
チームは19位で2部に降格したため、来季はリーグ・ドゥ(2部)でのプレーとなる。
守田英正
2021年冬の移籍市場で、川崎フロンターレからポルトガル・プリメイラ・リーガのサンタ・クララへ完全移籍。
今季6位で終えたサンタ・クララとの契約は残り3年あり、来シーズンも同クラブで継続してプレーかと思われていたが、他クラブからのオファーの噂も聞こえてくる。
同リーグを今季4位で終え、来季のUEFAヨーロッパリーグの出場権を持つブラガへの移籍に一旦は合意したようだが、200万ユーロ(約2億6000万円)の合意額を安すぎるとみたサンタ・クララ側が上乗せを要求して破談になった模様。
その後、トルコのガラタサライからのオファーを受けているが、サンタ・クララは移籍金として300万ユーロ(3億9000万円)、あるいは500万ユーロ(約6億2500万円)を要求しているという報道もある。
シュミット・ダニエル
2019年夏に、ベガルタ仙台からベルギー1部シント=トロイデンへ完全移籍。2シーズン続けて、20試合以上ゴールマウスを守るレギュラーとして活躍。
5月の時点では、鈴木優磨に続いてクラブは売却に動くという報道があったが、ここまで具体的な移籍話の報道は出ていない。
残留も移籍もどちらの線もありそうな状況だが、今後どうなるだろうか。
奥川雅也
2015年夏に、京都サンガからオーストリア・ブンデスリーガのレッドブル・ザルツブルクへ完全移籍。しばらくレンタル移籍が続いたが、2019-2020シーズンから所属元のザルツブルクでプレー。今季途中、冬の移籍市場でドイツ・ブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトへと買取オプション付きでレンタル移籍し、堂安律とともにプレーをした。
最終節では先制点につながるPKを獲得するなど、アルミニアの1部残留に貢献。
6月25日に完全移籍が発表された。当初の買取オプションの金額は200万ユーロ(約2億6000万円)と言われていたが、交渉の結果100万ユーロ(約1億3000万円)まで下がったと見られ、合意に至った模様。
アルミニアは堂安の完全移籍もPSVに交渉していたが、こちらは500ユーロ(約6億6000万円)の買取金額がネックになり獲得を見送っていた。
遠藤渓太
2020年夏に、横浜F・マリノスからドイツ・ブンデスリーガのウニオン・ベルリンへ買取オプション付きのレンタル移籍。
今シーズンはケガで前半は思うような出場機会が得られなかったが、コンディション的に整った後半戦は途中出場から先発へとチャンスを徐々につかんでいった。
4月30日に買取オプションが行使され完全移籍。詳細な条件については両クラブで開示しないことで合意しているが、移籍金は100万ユーロ(約1億3000万円)前後と見られている。
塩谷司
2017年夏に、サンフレッチェ広島からUAEのアル・アインへ完全移籍。
FIFAクラブワールドカップ2018ではレアル・マドリードからゴールを決めるなど、2得点で準優勝に貢献。4シーズンに渡り中東の地で活躍。
今シーズン限りでのアル・アイン退団を発表し、Jリーグ復帰を希望している。既に退団しているため移籍金は発生しないが、アル・アインでは250万ドル(約2億7000万円)という高額年俸だったと見られ、どこまで年俸を下げられるかが契約成立のポイントになりそうだ。