グループリーグ最終節のチリ戦を、田中美南のゴールで1-0で勝って、自力での決勝トーナメント進出を決めた。
試合展開
チリ戦も、日本が攻めて、攻め続けて、チャンスも作るけど、ゴールが決まらない。そんな印象の展開が続いた。
チリの攻撃はうまく抑えられているだけに、得点が入らない時間が長く続く精神的プレッシャーだけが時間の経過とともに募っていく。勝ち点3が欲しいだけに、最低でも1ゴールは必要だ。
後半に入っても同様の展開が続く。
69分のチリの攻撃、エリア内からオーバーヘッド気味の浮き球をヘディングシュート。バーに当たって、ゴールライン上を跳ねたボールをキーパーの山下杏也加がつかんで収めた。
日本としては、九死に一生を得た場面。
リプレイを見ても、真横からよりも若干角度がついているため分かりづらいが、ボールはぎりぎりゴールライン割ってないように見える。
山下がつかんだ瞬間が一番際どい瞬間で、その写真も出回っているが、これを見てもぎりぎり割ってないように見える。いかせん、この写真でも若干角度がついているため正確な判定は難しい。
いずれにしろ際どい場面で、ゴール・ライン・テクノロジーの判定が欲しいところだが、今大会では導入されていない。
77分、スローインから始まったボールを、中央から杉田妃和が前線の岩渕真奈に楔のパスを入れる。岩渕は相手ディフェンスを背負いながら、田中美南の抜け出しに合わせてゴール前へとボールを送り出した。このボールは相手ディフェンスの差し出した足に当たってコースが変わったが、田中がこぼれ球をうまく拾ってシュート。ボールは飛び出してきたキーパーをかすめてネットを揺らした。
試合終盤に待望のゴールを決めた日本。その後は試合は動かず、タイムアップを迎えた。
勝ち点3を得たなでしこジャパンは、自力での決勝トーナメント進出を決めた。
グループリーグ結果の分析
順位 | チーム名 | 勝ち点 | 勝 | 分 | 負 | 決勝T 1回戦の相手 |
1 | イギリス | 7 | 2 | 1 | 0 | オーストラリア(グループG 3位) |
2 | カナダ | 5 | 1 | 2 | 0 | ブラジル(グループF 2位) |
3 | 日本 | 4 | 1 | 1 | 1 | スウェーデン(グループG 1位) |
4 | チリ | 0 | 0 | 0 | 3 | GL敗退 |
日本が属するグループEの結果は、上記順位表の通り。
裏カードでカナダがイギリスに負けた上で、得失点差で逆転することができれば、日本は2位通過の可能性もあった。しかし、カナダとイギリスが引き分けたことで、日本は3位での決勝トーナメント進出となった。
決勝トーナメント1回戦では、グループG 1位のスウェーデンと対戦する。スウェーデンは、グループリーグ初戦でアメリカに勝っている。
国名 | FIFAランキング | GL成績 |
アメリカ | 1 | グループG 2位 |
オランダ | 4 | グループF 1位 |
スウェーデン | 5 | グループG 1位 |
イングランド | 6 | グループE 1位 注)イギリスとして参加 |
ブラジル | 7 | グループF 2位 |
カナダ | 8 | グループE 2位 |
オーストラリア | 9 | グループG 3位 |
日本 | 10 | グループE 3位 |
中国 | 15 | グループF 4位 ※GL敗退 |
ニュージーランド | 22 | グループG 4位 ※GL敗退 |
チリ | 37 | グループE 4位 ※GL敗退 |
ザンビア | 104 | グループF 3位 ※GL敗退 |
FIFAランキングとグループリーグの成績を比較してみると、興味深い。
1位から10位までの国がそろって決勝トーナメントに進出しており、それ以下の国はそろってグループリーグ敗退した。
各グループの順位を見ても、ほぼFIFAランキング通りの順位になっているのがわかる。
なでしこジャパンが2011年のW杯に優勝したときは、大番狂わせだったような印象があるが、実際にはFIFAランキングは4位だったようで、既に十分な強さは積み上げて来ての優勝だったようだ。女子サッカーの場合は、男子よりもFIFAランキングと強さの相関関係は強いようだ。
今回の決勝トーナメント進出した国を見ても、なでしこジャパンよりはすべてFIFAランキング上位で、どれを相手にしても楽な試合はない。
ひとつでも多く勝ち上がれるように、目の前の一戦一戦に集中していくしかないだろう。